40代未亡人の迷走日記

日常のあれこれ、未亡人のおばさんが迷走している日記です。

松本ハウスの「統合失調症がやってきた」を読んだ

最近「統合失調症がやってきた」という本を読みました。
著者は ハウス加賀谷松本キック ボキャブラ天国に出ていた「松本ハウス」です。

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私の世代だとちょっと奇抜なインパクトある芸風で覚えている方も多いとは思います。私はお笑い好きなので、ちょうど売れている頃に、お二人を直接舞台で見たこともあります。

たまたまKindleのオススメに出てきて、懐かしくなって読みました。

 

ハウス加賀谷は〇〇ハウスという施設に入っていたから芸名がついたという事は知っていましたが、本人の病状は知りませんでした。

内容は、ハウス加賀谷が中学生ぐらいから統合失調症の症状が出始めた事。幻聴に悩まされ、苦しみ、不登校、施設への入所し回復、その中でお笑いと言う希望の道を見つけ、お笑いブームで時の人となり、多忙を極め自己判断で薬を減らしてしまったことによる病気の再発、お笑い芸人を続けられなくなり施設入院、退院後再びお笑いを目指したいけど身体が動かない、相方キックさんへの謝罪の気持ち、でもお笑いが好きで仕方なくコンビの復活への道と言った、ざっと簡単に書いただけでも、葛藤と喜びが乱高下する体験談です。

 

周囲に統合失調症の病気の方がいないため、私は何となく怖い病気の印象がありました。この本を読んで、統合失調症の本人はすごく苦しんでいる事を少し知ることができた気がします。

 

専門的な知識を少しわかりやすくした文章よりも、体験談の方がやはりグッと心に刺さります。心からその人がどう言う状態で、どういう気持ちでいるのか、完璧には理解できませんが、なるほど…と思いながら読みました。

また、相方キックさんから見た加賀谷の話や、距離感も参考になりました。

 

読みながら私の友人が訪問介護員として、統合失調症の方のご自宅に行った時の話を思い出しました。

私には全く見えてない物が患者さんには見えているらしんだよね。知識として理解してたけど、実際に何もない所に人がいると言われるから、霊でもいるのかとドキッするねんと。

 

よく、薬物中毒になった人が幻聴や幻覚を見ると言う話を聞きます。それと似たような状態なのかな?とふと思いました。普通に生きて統合失調症になった事でこんなに苦しんでいる事を知ると、薬に手を出して脳の正常な能力を自ら破壊してしまう事は本当に愚かな行為でしかないと思いました。

 

本の中で、薬を飲むとなかなか起きれなかったり、どうしても言われた事が覚えられない事があると書いてました。

私は薬を飲んでいたら、ある程度普通に暮らせる事ができると思っていたので、薬を飲んで表に出られるだけでも、かなり病状が良くなっている事に驚きました。

前の職場でも、心の病にかかっている人が、薬を飲んでいるのに遅刻は多い、ミスも多いので困ってました。私はこれならもう少し休職してくれた方が良いのになぁ…と。

あの状況でも随分回復してる事を私が知ってたら、もう少し広い心で受け止められたのに、ごめんねと思いつつ。

 

この本、お笑い芸人加賀谷さんの面白い視点が随所に書かれています。難しい病気ですが、重くならず読み進めることができますので、ぜひボキャブラ世代の方々いかがでしょう?

 

今回伝えたいこと

人の体験談を読むことは、色んな人を知る上でとても役に立つ