40代未亡人の迷走日記

日常のあれこれ、未亡人のおばさんが迷走している日記です。

私は母親と仲良くなくて良かったかもしれない

保険証が切り替わる前に、久々に眼科の検診に行きました。私は強度近視のため、定期的に検査だけはするようにしています。

 

眼科はコロナ禍以降、完全予約制になったため、待合室はとても静かです。その待合室の中に、将来の自分の姿を見るような、80代の老婆とその娘60代が座っていました。

 

老婆は杖をついていても歩くのがおぼつかず、頭はしっかりしている様には見えましたが、少し物覚えも悪くなってきているかもしれない感じがしたので、一人で通院は心配だから娘が同行しているのだろうと思いました。

 

そんな静かな待合室に老婆の声が響き渡ります。
内容は断片的なのでわからないのですが、どうも娘一家の収入が大幅に減ってしまう事が推測できました。娘の家庭を心配しているのはわかりますが、娘の立場に近い私は親だろうが独立した娘の家庭に口出しはしない方良いかと…と思いつつ。
こんな静かな待合室でプライベートを喋られたら娘さんは、さぞ嫌だろうなと思った瞬間

「お母さん、その話は家に帰ってからにしてくれる?」

と言い、娘さんは冷静に老婆の口を封じました。

「でもね。心配してるんよ」と言い続けようとした老婆に対し

「トイレ行ってくるわ」

といって完全に話題を終わらせるために、席を立ちました。

 

我が母もこの老婆と同じような性格をしています。悪気はないのですが、あれこれ口を出してくる傾向が強いです。今は実家に行った時だけ聞かされるので済んでいますが、歳を重ねると私も母の付き添いも増えて、母と過ごす時間も増えるだろうと予想できるので、他人事には思えませんでした。

今も少しづつ、外出先でも言ってはいけない事を家族しかいないと口走ってしまう母はこれからもっと内と外の違いがわからなくなっていくと考えられます。

 

老婆は娘が帰ってきたら、今までの話題をすっかり忘れて別の話を始めました。母親としたくない会話を冷静に終わらせるには、

「言わないでと注意するのではなくスッと席を立ち、話題をそらす」

とっても勉強になりました。そのうち実践してみよう。

 

 

私は母親が自分の意見を押し付けてくるのがとても嫌だったので、独立後は適度な距離を取る様になりました。

私が大人になっても、親にとってはいつまでも子どもだから意見するのは仕方ないと頭では理解しています。しかし私が世間を見れば見るほど、母の視野の狭さに

「何も知らないのに意見を押し付けないで!」

という気持ちが大きくなっていってしまいました。

 

知人の会話の中で、大好きな母が認知症が進み自分の事もわからなくなったと悲しんでいる話を聞きました。
その話を聞いた時に私は、母親が一番最初に私を忘れて、次に兄、最後は父かな?なんて想像しています。だから忘れられても悲しいより「やっぱりそうだよね」という気持ちになりそう。

自分の事をなんでも受け止めてくれて、仲良し親子にすごく憧れた時期もあったけれど、これから老いてくる母親に対して、残念な気持ちにならずに程よい距離で母親と付き合ってけると考えたら、仲良くなくて良かったかも。
好きな気持ちが大きいほど、裏切られた時のショックが大きい。

 

たぶん、母は何も子どもとの関係性を考えた事がないから、私がこんな事思ってるなんて微塵も思ってないだろうな。

 

今回伝えたい事

親の老いはいつかやってくる

そして自分の老いもいつかやってくる