40代未亡人の迷走日記

日常のあれこれ、未亡人のおばさんが迷走している日記です。

映画「ラーゲリより愛を込めて」を見た感想

東寺の帰りのイオンモールで「水曜は映画代が1200円」とふと目に止まりました。そのまま帰るのもなんだし、せっかく京都まで来てますが映画を見ました。

すずめの戸締りと悩みましたが、こちらはたぶんロングランするだろうと思い、ラーゲリより愛を込めてを選択。
今回見た理由は

「誰にも邪魔されない映画館で見るならば、涙腺崩壊する作品にしよう」
戦争物が明るいわけがありませんしね。
ネタバレが嫌な方はこれ以上読まない方がいいかと思います。

 

特に私は妻北川景子の役する「山本モヂジ」さんに感情移入しちゃいました。
夫の帰国を信じて、小さな子供を抱えて育てていく姿。それだけでも泣いてしまいます。こんな現代でも女一人で子どもを育てていくのが大変なのに、戦後の混乱期で本当にご苦労されたかと思います。

 

映画の中で語られているテーマは「希望」だと私は感じました。

これが実話に基づいた「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を映画化したそうでして、主人公の山本さんは、ものすごい精神の持ち主であったと思います。
自分もツラいのに他人を励まし、他人のために生きている人だった。だが、そんな山本さんも自分の病気に希望を失ってしまう。

 

収容所の人はほんの一筋の希望の光を頼りに、すべての人が生きていた。

どんな状況でも

人は人である事を諦めてはいけない

諦めないには、人には希望が必要。

映画の中では終始訴えかけられていました。

 

どんな時にも周囲を励まして、帰国という希望の光を消さなかった山本さんは、病に倒れて志し半ばで亡くなってしまいます。

山本さんは遺書を書くように仲間にすすめられ、病と闘いながら書き残しました。収容所は抜き打ちでチェックが入る体制となっており、遺書の紙はいつロシア兵に没収されるかわからないという状況。でも必ず帰国したら山本さんの遺書を家族に渡そうと4人の仲間(松坂桃李安田顕中島健人桐谷健太)が4枚の遺書を分けて各自が1枚づつ記憶し、完璧に覚えます。

 

収容所から帰国した4人は山本さんの遺書を渡すべく、ある日突然家を探してやってきます。
無事に戻った者も、自分の生活もあるし、山本さんの家族が住んでいる所を探し当て、訪問するには時間がかかっていました。
諦めた頃に遺書が届く事で、希望を失っていた山本さん家族に再び希望の光が差し込むのです。

 

私が一番劇中で泣いてしまったのは、

山本さんが亡くなったという電報を受け取った時に、子どもの前では笑顔、でも庭に出て泣き崩れる北川景子の演技に涙腺崩壊しました。
子の前では気丈に振る舞うけど、希望が消えてもう抑えきれない悲しさに達してしまった気持ち…。なんともいえませんでした。

私の中で一つ残念だったのは、最後の北川景子と子どもたちが空を見上げるシーンがちょっとわざとらしく感じて一瞬感動が薄れちゃたところかな。

 

主題歌も生きることを訴える歌を感じた

映画の最後にMrs.Green Appleのsoranjiが流れます。

歌詞の中で「我らは尊い

そう。一人一人、みんな尊い存在なんだよ。
今ちょっとツラくなっている人に聞いて欲しい曲です。

 

私の祖父母も満州に行っていた時期もあったので、一つ間違えたら満州で捕まり、今の私は存在していなかった可能性もあります。私もそうですが、やはり人間辛い過去を語るのはツラいのです。多くを語らずツラい過去を生きてきた人が少し前の日本にはたくさん生きていたんだと。

私の中でどこか他人事で、どこが他人事じゃない映画でした。

 

今回伝えたい事

生きるとは何かと言うことを考えさせられました。